科学研究の現場を研究する―福島真人先生インタビュー
(2010.12.4公開!)
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・はじめに
「科学研究の現場を見て、研究する」。本当にそのような研究があるのかと驚いた方もいるかもしれない。科学研究の面白さ、苦労、現場を伝えたいと考えていた私達は、そのような研究があると知り、科学研究の現場を見るという点で共通していると思った。
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6月 28th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
1. 駒場~大学院:文化人類学への道のり
―これから進路を選んでいく学生へのメッセージも兼ねて、大学に入った頃からお話しいただけますか。
大学に入ったのは32年前(1977年)の事になります。外交官になりたい、外交に関わりたいという思いが最初あって、僕が狙っていたのは国際関係論でした。国際関係論に行きたかったから文二(文科二類)に入った。現在でも同じことを考える人がいるけど、文三(文科三類)だときついから国際関係に入るなら文二がいい、という情報は我々の時代でもありました※。
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6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
2. インドネシア、ジャワでの研究
―最初のインドネシアから現在の科学研究現場まで、私達からすると先生の研究対象は大きく変わっていったように思います。研究生活の中で、どのような経緯やお考えがあったのでしょうか?
アジア、アフリカの農村を選んで、大体平均で二年くらい滞在して、そこの言語を学んで文化を研究するのが、文化人類学者のベーシックなパターンです。それで最初は、知り合いの先生がインドネシア専門だったので、ジャワ※のイスラムの研究をしたいと思って村に入りました。 Read more »
6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
3. タイでの研究
一つのステップになったのは、インドネシアの後、タイの上座部仏教について研究をしたことです。ジャワの宗教と比べタイの仏教はすごくシステマティックで、ジャワで出てきた自分のテーマを先に進めるにはタイの方がいいなと思って行きました。
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6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
4. 転機:ロンドンへの留学
自分の研究歴を振り返って、東南アジアをやっていた時期とその次の時期(精神病院以降)で研究テーマが大きく変化しているように見えるのは、90年にイギリスのLSE(London School of Economics and Political Science)に留学したことが背景にあります。
LSEはロンドンにある社会科学が強い大学の一つで、社会学とか文化人類学とか経済学の著名な先生がいる所でした。それで社会人類学科に行ってみたけど、たまたま社会心理学科で認知科学セミナーというのが始まったんです。 Read more »
6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
5. 日本に帰って:認知科学の変化と文化人類学
いわゆるコンピュータが出てきて、プログラミング言語で表したものが人間の思考のモデルだと多くの人が思った時期、すなわち60〜70年代が認知科学のピークでした。我々が環境にいて外から情報が入ってきて、情報そのものに意味は無いけど、情報を処理して我々が意味を与えるんだ、という考えです。つまり、外界(意味に関係しないものとしての環境)は切り離して、完全に頭の中の思考だけのモデルで表現しようという考えでした。
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6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
6. 精神病院と救命センター
―その後の精神病院での研究は、人間の考えと言葉といった、先生がジャワで持たれた興味と関係あるのでしょうか。
これはいくつかのレベルで複雑に関係しています。統合失調症(分裂病)というのは、言葉そのものが解体するような経験というか、何言っているか分からないような事を言ったりする状態になる。そういう人達が何を考えていると言えるのか。言葉と思考、あるいは言葉にならない思考とか、そういうものをどうやって研究できるのかな、と思っていました。これはそれこそ学部時代から刷り込まれたものだから、常に関心があったのは事実です。
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6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
7. 科学研究へ
一年間サバティカル(研究などのための長期休暇)をもらって、救命センターの調査のネタを持ってフランスに行きました。科学社会学のセンターで二ヶ月留学していて、そこでフルに科学の社会学をやっている人と接触した。やっぱり彼らから見ると救命センターではまだ科学度が足りないと感じたようです。
それで、帰ってきてから、本格的に、もっと基礎的な科学現場の研究をしたいと思ったんです。僕の昔からの知り合いと話しているうちに現場で調査しようということになり、理研は特に大きくて歴史も長いし、その組織も含めて研究するのは面白いと感じました。
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6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
8. 現在の研究のポイント
欧米ではこういった科学現場でのフィールド調査が70年代後半から始まっています。そのため、今では科学の各分野での様々な研究活動の細部について、面白い議論がいくつもあります。だから、我々の研究を英語で書いてそのまま出しても、日本の研究室という条件は珍しいけど、それだけだとインパクトが弱い。もう少しその研究室から引き出せる独自の問題設定みたいなものを前面に出さないといけない。
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6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する
9.現場調査の内容
現場でやることにはいくつか方法があって、一番やりやすいのは毎週行われるラボ内の研究発表会を聞きに行って、内容について後で担当者とディスカッションをすることです。最初は研究室の発表を聞いたときに、「ペルシャ語に聞こえる」って冗談で言っていたんです。でも不思議なことで、やっているうちに体で慣れてくるんですよ。さすがに二年近く聞いていたら、だいたいの骨格はわかるようになります。
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6月 27th, 2011 | 取材記事Tags: 科学研究の現場を研究する

