内田樹さんに会ってきた

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内田さん顔写真
内田樹という思想家をご存じだろうか。いや、「思想家」とくくってしまうのは失礼かもしれない。内田先生は思想家であると同時に武道家でもある。そして先生が関心を持つ思想はフランス現代思想、武道論、映画論、ユダヤ文化論、教育論、身体論・・・じつに幅広い。
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1.大学とフロントライン

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S いま大学でどんな授業をなさっていますか?

内田樹(以下、内田) はい、いま、といってももう最後の学年なんですけど―今年いっぱいで定年なので―基本的にはゼミが4つですね。1年生対象の基礎ゼミと、それから4年生の専攻ゼミと、大学院のゼミ。あとメディアコミュニケーション副専攻というのがありまして、そこの最終学年の最終学期の授業にある、メディアコミュニケーション演習というゼミですね。あとは講義科目をいくつか単発でやってます。キャリア教育とか、音楽との対話とか、合気道とか、そういうのを単発でやってます。
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2.内田先生の「二十歳のころ」

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G なにか一つのことにガッと集中したことは、学生時代にはありました?

内田 学生時代はそうでしたけどね。そりゃそうですよ(笑)、フラフラしてよくなってくるっていうためには、やっぱりある程度年をとらないと。二十歳くらいからフラフラしてたら、ちょっとまずいんですけどね。
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3.「若造」、現場へ

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S 大学を卒業された後、翻訳会社をお立ち上げになりましたよね?

内田 ずいぶん飛びましたね(笑) それは27歳の時でしたけどね。
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4.「だって面白そうなんだもん」

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X 先生はそのあとサラリーマンになろうとはお考えにはならなかった…?

内田 一時期、大学院の修士課程の時は、大学院行きながら1週間のうち3日くらいは会社行って、という感じで両方掛け持ちしていました。でも修論は集中して書かないといけないので週3日会社行くとかいうわけにはいかなくなって、その時にとりあえず、半年くらい会社のほうを休ませてもらって修論を書きました。それで博士課程入ったときに、さてどうしよう、と思って。結局、博士課程に入った以上は一応研究者を目指そうと思って、その時に会社はやめました。博士に落ちたらね、それはそれでしょうがないから会社に戻ろうって思ってたんだよ。
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5.私の身体は頭がいい

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G 先生が趣味になさっている武道は、どちらかといえば一人でグーッとやるよりはコラボレーションの要素が強い感じがするのですけれど…?

内田 うーんとね、趣味じゃないんだよね(笑)。 本業なんですね、こっちが。
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6.「楽しい」と「鬱陶しい」

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V それは先ほどの、人とのネットワークという話とも関係するのですか。

内田 そうだなあ、関係はもちろんありますよ。
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7.”材料”・”道具”、研究だって仕込みが大事

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G それは研究にも当てはまることですか。積み上げて積み上げて…

内田 そうそう、もちろんそう。だからその、膨大な先行研究をきちんと踏まえていって、ある程度知識があって、推論の方法についてのきちんとした自分の道具ができていて、そのうえで始める。だから、材料があって、調理道具もあって、包丁もきちんと砥いであるという状態で、さあ料理作るぞっていう感じであってね。材料はもやしと豚肉しかありません。 Read more »

8.学者としての苦しみ―オリジナリティーやニーズについて

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L 材料と包丁とが揃っていても、やっぱり試行錯誤はなされたのですか。

内田 (笑) そうね、いろいろね、しましたけれど。やっぱりその、これから学者をやろうっていう人全員に課せられた苦しみなんだけれどさ。ある程度評価されないと、一人前の学者、研究者として自立できないわけですよね。でも評価されるためには、すでにこういうのがよくてこういうのがよくない、っていうスケールがきちんとできあがっている、評価の枠組みができているところで勝負するしかないわけだよね。 Read more »

9.師匠の機能

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L さっきの話と関係するんですが、権威のある人のところに人が集まってしまうという話なんですが、その方たちはいうなれば偉大な師匠なわけですよね? 先生の著作の中ではその偉大な師匠と出会うということが非常に大事な経験であると書かれていたと思うんです。例えば僕も東大で野矢茂樹先生という人に感銘を受けて学科を選んだりしたんです。その、権威のある人のところに集まるというのも、師匠に出会いに行くという意味では肯定的に捉えることが…

内田 もちろんですよ。師弟関係にしても、どんなものにもいい面と悪い面があるわけでね。
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見聞伝とは?

東京大学見聞伝では、各人が興味・疑問をもったことについて文理の枠を超えて自由に企画を立ち上げ、自主的に取材し、それぞれの分野で活躍されている方の生の声や、そのお話から新たに発見したことを、インターネットなどを通じて発信する活動を行っております。

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定例会

定例会は毎週水曜日の午後6時から午後9時まで、駒場キャンパス学生会館や、各教室で行っております。様々な大学に所属するゼミ生が活動していますので、他大学の方や社会人の方の参加も歓迎です。気軽にご参加ください。
参加希望者は、こちらまでご連絡ください
ゼミ長 福井 k.fukui714[at]gmail.com

書籍「二十歳の君へ」

書籍「二十歳の君へ」

文藝春秋刊「二十歳の君へ 16のインタビューと立花隆の特別講義」が2011年1月に発売されました。著名人からの20歳の若者たちへのメッセージ、立花隆の特別講義、そしてゼミ生による手記の3部構成となっています。

「二十歳の君へ」公式サイト
amazon.co.jp へのリンク

あらまし

1996ゼミナール第一期
教養学部総合科目「応用倫理学」開講
テーマ「サイバーユニバーシティ」
   「調べて書く」
1997テーマ「調べて書く、発信する」
1998「環境ホルモン入門」
書籍『二十歳のころ』出版 (新潮社)
2000テーマ「新世紀デジタル講義」
2005ゼミナール第二期 「SCI」
巨大科学サイト「SCI」の製作・運営
2007ゼミナール第三期 「見聞伝」
五月祭企画「徹底討論!核融合」
駒場祭企画「憲法集中講義」
2008駒場祭企画 特別講演会
「今語られる、東大、学生、全共闘」
2009駒場祭企画 特別講演会「二十歳の君へ」
2010立花教官退官・サークル化
駒場祭企画 若者論 / 宇宙論
2011書籍『二十歳の君へ』出版 (文藝春秋)
2012立花隆事務所から完全に独立、サークル見聞伝として再出発

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